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2009年6月9日火曜日

にわか雨

 東海地方も本日入梅とか、雨の季節がやって来た。雨には切ない思いをさせられた事がある、40年程昔の出来事なのだが、時には思い出す。
 福島県を大別すると、太平洋に沿って陸前浜街道(国道6号線)、中央部を奥州街道(4号線)それに会津地区。夫々を浜通り、中通り、会津と呼ぶ。
 浜通りの相馬市から、中通りの福島市への峠越えの路がある。町並みを出ると前方の峠迄見通せる、なだらかな上りの直線道路が続いていた。左右は田畑を挟んで遠くに人家がチラホラ見える。
 馬の背を分けるという、夕立が前方の山から下りてくるのが見えた。ポツリと雨粒が。
 1、2年生と思われる下校途中の3人が前方に向かって歩いていた。傘も持たずに、2、3百先にバス停と思わせる小屋が目につくだけで、人影もない。思わず車を横に止め「乗りなさい」と声をかけた。途端、3人が顔を見合わせ乍ら、身体が硬直した。思いがけない反応に、ビックリし、困惑した。「ゴメンネ」とだけ言うのが精一杯。逃げる様に車を走らせた。
 数十秒で滝の様な雨が降り出した。バックミラーに、ランドセルを頭に載せた3人が走っているのが映っていた。

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