連れが買い物をしている間、前庭にあるぶどう柿の見事な枝振りに見入っていると、風格のただよう老婦人が側にお見えになり、ひとしきりお話を頂いた。
買い物も終り、車のドアをパタンと締めた時。店員さんが小走りに「会長からのお土産です、召し上がり下さい」と先ほどの葡萄柿の一枝を添えた特製の”柿の葉寿司”を戴いた。
四国には八十八カ所巡りのお遍路さん接待という、もてなしの心がある。弘法大師が眠る高野山、ここ紀州にも暖かいもてなしがあった。
四十年も昔の闇夜の十津川路が、一気に夏の陽気に包まれた、楽しい旅路となった。
0 件のコメント:
コメントを投稿