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2009年5月10日日曜日

紀伊半島縦断

 随分と昔の話、釣りに出掛けた或る日。早朝迄に着けばよいのだからと、紀伊半島縦断を試みた事がある。
 橿原市、五條市から十津川沿いに168号線をひたすら南下。新宮川、熊野川沿いに新宮市迄約300km、そして串本大島へ。名古屋を夜出発すれば、紀伊半島山地は真夜中。
 有名な日本一長い十津川の吊り橋のたもとを通過するのは、草木も眠る丑三つ刻、一休みにと渡橋を試みた。星明かりに、はるか眼下に流れる水の音、前方にはどこ迄も続く暗黒の山林、天狗様が一人や二人出て来そうな、紀州の深山のど真ん中。さすがに渡りきる迄の肝っ玉の持ち合わせが無く、這々の体で車に戻り走らせた。心細い事此の上無し、終点は無いのかと思わせる延々と続く真っ暗の山道。ひたすら逃げる様に、走りに奔った、背後から八咫烏に追いかけられてでもいるかの如く。

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